第10章 ミミズクの巣と妖怪の笑み
「こちらになります。」
と、ニコニコしてるお兄さんに案内されてたどり着いたのは大きな扉の前
ニコニコお兄さんがその扉を開くと、その中はあたしん知らない別世界だった
『ふぁ…』
「なんて声出してんの、そんなにびっくりした?」
『はい、ホントにこんななんですね…』
そこは本当に漫画の世界
大きなシャンデリアに豪華なドレスを纏ったお姉さま方
Theお偉いさんって感じのおじ様方
見ているだけで目がくらみそうなくらい輝いた世界
あたし・・・ホントにここにいていいのかと心配になるくらい
「はい、じゃあぼっくんのとこ挨拶行こ。」
と、あたしの手をとって中に入って行った
中に入るとあたし達を見ている大人たちの声が聞こえてきた
「あれ、青城の及川社長?」
「風俗上りがなぜここに?」
「及川さんと一緒にいる子誰?」
「なかなかに可愛い子ですな」
「ここにいるということは、芸能関係の方ですかね?」
「及川さん、さすがにかっこいいですね」
「ねぇ、さすがは花街のホスト」
「顔がいいとこういうところにも出られるんですね」
ヒソヒソと聞こえてくる声は、とても聞いていられなかった
あたしが可愛いっていう話はどうでもいいけど、それ以上に聞こえる及川さんへの罵声が痛かった
あたしは、思わず及川さんの手をギュッと握った
及川さんは、いつもなら「どうしたの?」って聞くけど今は何もない
ここ・・・居たくない・・・