第10章 ミミズクの巣と妖怪の笑み
「はーい、待ってたわよ夜琉ちゃ~ん♡」
『こんにちわ!?』
店について早々お店から出てきた菅原さんに抱き着かれたあたしは思わず倒れそうになったけど、菅原さんは一応男性だからちゃんと受け止めてくれた
「待ってたわよ~、ドレスできてるから社長室来てちょうだい♡。国見ちゃんもね♡あっ、残りはテキトーにしてて」
と、あからさまに態度を変えて及川さん岩泉さんに言う
国見さんもあたしと一緒に着替えるみたい
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小一時間後・・・
『す…菅原さん…これは…』
「・・・。(怒)」
「いや~ん2人とも可愛いわよ~♡」
あたしには、ピンクのAラインのカシュクールドレスで国見さんには青いホルターネックのカシュクールドレスって・・・
『なんで国見さんもドレスなんですか?』
「君、及川さんから聞いてないの?パーティに行けるのは招待された人とそのパートナー。パートナーは異性じゃないといけないの」
『へぇ、なんで国見さんは女装してまで参加するんですか?』
「・・・内緒」
冷めていた顔をしていた国見さんがニッと不気味に笑った
その顔にあたしは少し背中に冷たいものが走った
「はい2人とも可愛い顔が台無しよ、ほら夜琉ちゃんはあたしがやるから。国見ちゃんはやっくんにしてもらうね」
と言って菅原さんに連れられてドレッサーの前に座らされた
『ってか菅原さん、あたしピンク着ないって言いましたよね?』
「えぇ、でもあたしは絶対似合うと思って着せたの。やっぱり似合っててよかったわ♡」
『えぇー…』
ブスッとしながら椅子に座ると、菅原さんにほら笑う!!とほっぺを抓られた