第9章 オネエ様と女子力
『えっ…』
菅原さんの手は、肩にかかっていたブラのひもを持っていた
下着というのは、もちろん以前花巻さんにも言われたキ〇ィちゃんのブラジャー。しま〇らでセットで300円くらいの奴
「年頃の女の子なのにこんなブラして!!!やっくん、中島に連絡してありったけのD80のブラとMサイズのショーツ持ってきてもらって!!」
「了解。」
『あっ…あの』
「うちの店はね、各フロアごとに売ってるものが違うの。2階がメンズ、3階はレディース、4階が靴やバッグ、5階がランジェリー、6階がアクセ、7階がドレスってね。それで各フロアに担当者が付くんだけど、今の中島は5階のランジェリー担当なの。ちなみに夜久君は靴やバッグ担当ね」
『はぁ…』
菅原さんに店の仕組みを話してもらっている間に中島さんが来た(・・・にしても早くね?)
「菅原さん、持ってきましたよ。D80のブラとMのショーツ」
「ありがと、じゃあ夜琉ちゃん。好きなの5着ずつ選んで頂戴。お金は気にしなくていいわ。及川に請求しとくから」
『えっ…でも…あたし、このままでも…』
「はぁ、分かってないわね。…いい?夜琉ちゃん。」
菅原さんは山積みになったランジェリーの前で立ち尽くすあたしの前に立って両手を肩に置いて目をまっすぐ見てこう言った
「女の子はね、たとえ見た目が美しくても、美しいドレスに高価なジュエリーを飾っても、下着が美しくないとすべてが台無しになるの。中身から美しくないと…。貴女がよくても、見ている周りは美しさにかけるあなたを見てがっかりするわ。それに、いい下着をつけていれば、あなた自身も美しくなるの。だから、このぴったりで美しい下着をつけて、より美しくなってちょうだい。」
ニコッと微笑んだ菅原さんでも、その言葉はとても重かった
あたしは、女のして全然未熟だったみたい
「ちなみに、アイドルの日向は5万円の下着付けてるわよ」
・・・とどめを刺された気がする