第9章 オネエ様と女子力
「スガくん、ドレス終わった?」
「まだだけど、それどころじゃないのよ、やっくん」
「いや仕事してよ…スガくん…」
エレベーターに乗ってやってきたのは、やっくんと呼ばれた人
あっ、この人は普通の男の人だ・・・ちょっと小さくてかわいいけど・・・
「いいから、ほらこの子のドレス作るの!!」
「はぁ…こういう時のスガくん何言っても聞かないからな…はいはい、この子?」
「そう夜琉ちゃん。明日の梟谷のパーティに及川と行くんですって。どうせならあたしと行きましょうよ。」
「スガくん仕事!!」
「はーい…じゃあまずはサイズからね。夜琉ちゃん制服脱いで頂戴」
『あっ…はい』
言われるがままにあたしは来ていた制服を脱ごうとしたら「ちょっと待って!!」と、脱いでといったスガさんに止められた
「及川、レディの着替えよ。1階のフロントで待ちなさい」
「えぇー!!せっかく夜琉ちゃんの生着替え見れると思ったのに!!」
「女の子の着替え見るなんて最低よ!!山口、追い出してちょうだい!!」
「えっ、はい」
と、及川さんは山口さんに連れられて強制的に部屋から追い出された
「はい、じゃあ安心して脱いでね」
『はい…』
と、今度こそあたしは下着だけを残して制服を脱いだ
あたしのサイズを測ってくれたのはやっくん・・・じゃなくて夜久さんだった。胸囲・腹囲・足・脇下と順に測っていきそれを菅原さんがメモしていた
「はい、いいわ。サイズはOK。じゃあ次は色やデザインだけど…その前に…」
メモを取り終えた菅原さんはあたしに近づいてきた
あたしは、オネエと分かっていても少し身構えてしまった
菅原さんはあたしの肩に手を置いて身体をまじまじと見て、一言
「…何なの、この色気の欠片もない下着」