第9章 オネエ様と女子力
「いらっしゃいませ。あっ、及川様いつもありがとうございます」
「やっほーもに君。スガくんいる?」
「はい、最上階の社長室にて頭を抱えています」
「あぁ~大変だね~、じゃあ社長室行くわ。ありがと、お仕事頑張ってね」
及川さんがお店の人と話している子は聞こえるけど、あたしは目に入ってくる情報を処理しきれずに目を回していた
ここって、ファッションショップですよね?
なぜか1階フロアはホテルのようなフロントだった
あちこちにマネキンが置かれていてそれが身に着けているいかにも高そうな洋服や帽子、身に着けているものもすべてが見たことのないような高級品ばかり
当然来ている客もみんな(視覚的にも物理的にも)キラキラしててホントにあたしこんなとこにいていいのだろうか・・・
「ほら夜琉ちゃん行くよ」
と、及川さんはとっととフロア奥のエレベーターに乗っていた
しゃべってたお兄さんはなんか優しい笑顔をしてあたしを見ていた
あたしはペコっと頭を下げて及川さんと共にエレベーターに乗った