第9章 オネエ様と女子力
『嫌です!!あたし待ってます!!』
「だめ!!ほら行くよ!!」
『嫌です!!ココ敷居高すぎますから!!』
「大丈夫だって!!」
と、店先で大騒ぎしている理由は・・・
及川さんに連れられてきたのは、及川さんが大好きな超一流ブランドの〈Mother〉
1着何百万なんてザラのショップで日本だけでなく世界のセレブも御用達のファッションブランド
だから、そんなところの・・・しかも本店なんかに入れないとあたしは断固として店に入りたくなかった
「もぉ、夜琉ちゃん。そんなにわがまま言うなら、2択にしてあげる」
『・・・2択?』
「そ♡まずは、大人しく自分で店に入るか…もう1つは、俺にお姫様抱っこされながら入るか」
『…入らないって選択肢はないんですか…?』
「ない♡」
と、いつもの満面の笑み
はぁ・・・この笑顔になったらもう曲げないな・・・
『はぁ…分かりましたよ…入りますよ…』
「よろしい☆」
はぁ・・・
絶対場違いって言われるし・・・
店長さんが来てこの店にふさわしくないって追い出されるかも・・・