第2章 二重人格
お兄さんに連れられてやってきたラブホは、なんともファンシーな外装だった
なんか動物のオブジェが多い・・・
お兄さんに至っては、
「娘がこういうの好きなんだよね~」
なんて話すけど・・・
正直どうでもいい
テメェの娘さんのことなんて知るかっつうの
そんなに娘が大事ならこんなとこで遊んでんじゃねえよ
・・・と思いながら何も言わずにホテルに入る
部屋は外装ほどファンシーじゃなかった
いたって普通すぎて詐欺じゃね?と思いながらもソファに荷物を置いてお兄さんの前に立つ
何を期待したのかお兄さんはびっくりしてたけど、
『先にお金ください』
とお兄さんの前に手を出す
あっ…うん…と、お兄さんは期待外れだったことに少し残念がってたけどぴったり2万円出してくれた
「じゃあ…いいかな?」
お兄さんは、着ていたジャケットを脱いでベッドに座るあたしに近づいた
そっとあたしの肩を引き寄せて最初は触れるだけのキス
角度を変えたり徐々に深くなっていき、身体を触り始めた
・・・ってかこいつキス下ッ手!!!
奥さんよく我慢できたよね・・・キスも鼻息も荒すぎだし・・・
「はぁ…」
お兄さん自身はなんか良さげ
こっち全然なんすけど・・・と思ってた矢先、今度は首元に顔を埋めてきた
首はちょっと弱いから
『んッ…』
と、反応してしまった。それを勘違いしたお兄さんは触れるくらいのキスをどんどん首に落としていく
そして、気分がよくなったのか左の頸動脈のところに吸い付いた
『・・・やめろ』