第8章 ドSモデルと男の娘アイドル
『おはざ~っす』
「よぉ、重役出勤」
『重役出勤ではないで~す。…あれ?』
ホテルの正面から入っていくと松川さんがフロントにいた
それ自体珍しいのに、もっと珍しい人が受付にいた
『あぁー!!金の王子!!』
そう、あたしの友人が愛してやまない金の王子こと月島蛍がそこにいた
うわぁ~、実際みるとホントに背ぇ高いわぁ~・・・
ってかホントに同じ人間?作りが違いすぎる・・・
「…あれこの店のですか?…ずいぶん安そうですね」
『なっ?!』
「あぁ、確かに安そうだが一応うちの一番高ぇ女だ」
「えっ…ここそんなに切羽詰まってんですか?」
『あの、さっきから揃いも揃ってディスるのやめてもらえます?』
背ぇ高性悪な2人組は上からあたしを見下ろして意地の悪い顔をしていた
そんな2人をあたしはキッと睨んで部屋に行こうとした
「ねえ君、僕のことどう思う?」
『はい?』
金髪で整いすぎた顔立ちがあたしの顔を覗いてきた
さすがのあたしもドキッとしたけど、それ以上は何も思わなかった
『…かっこいいですね』
「…は?」
『えっ…いやだから、かっこいい…』
「それだけ?」
『…それ以外に何か?』
月島さんはあたしに対して強い目で見てきた
だからあたしも月島さんを強い目で見た
だってホントにかっこいい以外思いつかないし・・・
「・・・松川さん、この子いくらですか?」