第7章 最初の演技とネコの店
「やっほークロちゃん。相変わらずお盛んだね~」
「んだよ及川かよ…今日はなんだ?」
「なんだって客!!うちの新人ちゃんにここを紹介しようと思って」
「んぁ?」
と、クロちゃんと呼ばれてるお兄さんは及川さんの影になっているあたしを覗き見た
さすが及川さんの知り合いだけあってこの人もかっこいい
及川さんよりもちょっと高い身長と独特な髪型。切れるような鋭い目がなんとも・・・
「何?及川の愛人?」
「店の子だってば!!夜琉ちゃんっていうの」
『あっ…天川夜琉です…』
「へぇ…、ちょっと若くね?」
『あたし高校生ですから』
「はい、ここは高校生立ち入り禁止で~す。退店願いま~す」
黒尾さんはそう言いながら及川さんの高そうなジャケットの襟を掴んで店の外へ連れ出そうとした
及川さんはそれをじたばたして嫌がった
「いいじゃないか、もうお客いないし。」
「そうだよ!!海君もっと言って!!」
「おい、海…こいつら…」
「黒尾がせっかく来た客を追い返すから、こっちは赤字だって分かってるよな?」
この海さんという人、見た感じは全然怖くないしとっても優しそうな菩薩みたいなのに・・・笑顔が怖い
切れ目のお兄さんも及川さんもいっぺんにおとなしくなってしまった・・・