第7章 最初の演技とネコの店
「海君、お腹すいたから何か作って~」
「かしこまりました。そちらのお嬢さんもお作りしますか?」
『あっ…はい、お願いしゃす!!』
「少々お待ちください。」
さっきのギャップのせいで、海さんに無駄に緊張してしまう
海さんはカウンターに残っているクロさんに「あとよろしく」と告げて奥に入って行った
クロさんは、大きなため息をつきながら「何呑む?」と不愛想に聞いてきた
「俺、シルバー・ブレットで、この子はピンクレディーでもあげて」
「アホか、未成年に酒だせるか。何がいい小娘」
『こむ!?…じゃあアイスティー…』
「はいよ、オレンジジュースな」
『言ってないです!!どんだけ子供ですかあたし!!』
カウンターをドンと叩いてツッコミを入れる
クロさんはニコニコと楽しそうに準備を始めた
前花巻さんに教えてもらったジンと・・・なんだっけ?キャンベルだかキュンベル(正解はキュンメル)を、あの・・・振るやつに入れて絞ったレモンを入れて混ぜていた
アレはあんまり出ないヤツだから知らないや・・・
・・・ふと思ったけど、バーテンダーって無駄にかっこよく見えますよね。〈付き合ってはいけない男の3B〉に入ってたけど、こりゃ惚れるわ・・・
なんて考えながらクロさんを見ていると、ふと懐かしい感じがした・・・
なぜだか初めて会ったのに、懐かしいというか・・・
なんでだろう?