第7章 最初の演技とネコの店
「はい、着いたよ」
『はぁ、及川さん路駐下手すぎ!!!』
「ごめんね!!慣れてないの!!」
かっこつけて路上駐車しようとしてまた20分くらい無駄にした11:06現在
ようやく及川さんの行きつけだというお店に着いた
『ココ…ネコカフェ?』
店名は[Black Cat's]
ネコってあるからあたしは勝手にそう思った
「違うよ、普通のバー。じゃあ行こ」
『未成年をバーに連れて行くって、あんた大丈夫っすか?』
「キャバクラで働いてて売りやってるくせによく言うよ!嫌ならおごらないよ?」
『行きます』
と、あたしは素直に及川さんについて行った
Black Cat'sさんは小さなカフェみたいな外装なのにどこか大人っぽい雰囲気を醸し出す小洒落たバーだった
カランカラン・・・
「やっほークロちゃんいる?」
「あっ、いらっしゃい」
「はぁーい海君。クロちゃんは?」
「黒尾は・・・」
ガッッシャーーーーーーーーーーーーン!!
お店の雰囲気に似つかない大騒音が響き渡った
あたしがびっくりして目をパチパチさせてるのに及川さんは、
「あぁ、今お説教中?じゃあ座って待つよ。夜琉ちゃん、座んな」
と、カウンターの席に座ったからあたしも騒音を気にしつつ座った
すると、奥から誰かが走ってきた
見るからに堅気の人っぽいけど・・・
「くそーー!!」「覚えてやがれ!!!」
と吐き捨てて行ってしまった
すると、出て行ったタイミングの少し後に奥から誰かが歩いてきた
「おととい来やがれってんだ。」
現れたのは首を左右に傾けて音を鳴らしている長身のお兄さんだった
・・・なんとも素敵(笑)な髪型の・・・