第7章 最初の演技とネコの店
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「夜琉。」
『なに?ママ』
「ママの事好き?」
『うん!!大好き!!!』
「うん、ママも好き。でもね、1番じゃないんだよ」
『え?なんで?夜琉のこと嫌いなの?』
「違うよ、夜琉は世界で2番目に好きなの。んで、1番はパパ」
『そっか、パパとママいつも仲良しだったからね!!!』
「うん、それでね夜琉。夜琉もいつか自分の1番になる人と出会いなさい」
『えっ…パパとママが1番だよ?』
「ううん、パパとママは絶対に1番にはなれないの。でもね、それは悪いことじゃないの。その方が幸せなの」
『どうして?』
「パパとママはいつかは夜琉を置いていなくなっちゃうの。でも、1番になった人は最後まで一緒にいてくれる。どんな時でも一緒にいてくれるの。その人がいれば、夜琉は幸せでしょ?」
『うん…でも、』
「夜琉は、まだ1番になる人に出会えてないだけ。これから一人になっても1番になる人が必ず現れるから。だから・・・」
『ママも、パパに出会うの大変だった?』
「うん、とっても。でもちゃんと出会えた。ちゃんと出会えるの」
『…じゃあ夜琉頑張る!!!パパやママよりも大好きな人見つける!!!』
「そう!それがいいよ。…ママねパパのところに行こうと思うの。」
『…うん、ママの1番はパパだもん。その方がパパも喜ぶ!!』
「…ありがとう…夜琉はいい子だね…」
『うん!!夜琉が嫌だって言ったらママもパパも悲しんじゃうもん…だから大丈夫だよ!!』
「うん……夜琉……」
『ママ泣かないで、パパと生きて?』
「夜琉……、ごめんね……」
『うん、だって・・・』
夜琉いい子だもん!!!