第2章 二重人格
「でもホントさ、夜琉って絶対モテるって。おっぱい大きいし」
『おっぱいて…モテないって。生まれてこの方告白なんてされたことないし』
「ふーん、でも夜琉って同学年とか年下じゃなくて、年上にモテそうだよね。色気があるから」
年上ね~。
まぁあながち間違ってないかも・・・
なんて思うけど言葉にはしない
「あっ、夜琉!!」
『どした?』
恋バナをしていた子とは別の友達が来た
パタパタと床を鳴らして近づいてきた女の子は、目をキラキラさせていた
「この前教えてもらったカフェ昨日行ったんだけど、ホントやばかったね!!店員さんめっちゃイケメンだしケーキおいしいし!!教えてくれてありがとね!!!」
『あぁ!!いいでしょ?あそこ!!』
この前教えたあたしのお勧めのカフェ
もともと甘いものが好きでカフェとかよく行くんだけどそれを彼女に教えたらかなりご好評だったみたい
「教えてくれてありがとね」
とだけ言ってカフェに行った友達は去って行った
「・・・夜琉ってホント優しいよね。その上美人ってホントうらやましすぎ…挙句に巨乳とか…この野郎~縮め!!」
『うぉい!!胸を揉むな!!』
「うっさい!!縮めぃ!!WWW」
と、話を聞いていた友人が嫌味たらしく言ってあたしの胸を鷲掴む
ここまではありふれた女子高生の戯れ
あたしの《表》の日常
優しくて気さくに話せて面白いよく食べる女
それでいて少し人よりきれいな容姿
普通なら、苦悩も何もなさそうなあたし
でも、それは《表》だけ
《裏》は、きたなく薄汚れている