第2章 二重人格
「おはよー!!!ねぇねぇ夜琉聞いてーー!!!」
『おはよ~、何、朝からうるさいな…』
平日の真ん中の朝、明るい声と教室の扉を勢いよく開ける音が教室中に響いてあたしの友人がズカズカと入ってきた
「見て見て!!金と銀のチケット当たったのーー!!!」
『ほぉ~、よかったね~』
「んもぉ!!もっと祝ってよ!!念願かなって手に入れたんだから!!」
と、席に座ってスマホを弄るあたしの肩をビシビシ叩く
痛いっての・・・
金と銀とは、今大人気のモデル達の愛称
クールな金の王子様とかわいらしい銀の王子様と言われていて俳優なんかもやってる
そんな2人のトークライブのチケットが当たったと騒いでいた
まぁあたしは興味ないけど・・・
「ねぇ夜琉一緒に行こうよ」
『いや興味ないし…』
「ホントに夜琉って食べることしか興味ないよね…」
『んなことないって…』
「いやマジだって…、夜琉って美人なくせに男に興味ないよね。好きな男いないの?」
友達はチケットをカバンの中にしまいながら話の話題を変えた
女の子ってホントに好きだよね・・・
かっこいい人が好き、優しい人が好きと人によってさまざまだけどあたしは全くそういうのがない
『興味ないっての…あっでも顔は大事だな』
「んもぉ~、それが冗談に聞こえないから怖いわあんた…」