第39章 愛しい子 *最終章*
「はい、今日はどーしますか?」
あたしの長い髪を上げて首元にタオルを巻きながら瀬見さんがそう聞いてきた。
あたしの髪は、ずっとポニーテールにしていた長い髪をまず梳かしてとりあえず「ショートで!!」と答えた。
「あのな、ショートって言われても分かんねえっての…」
『…じゃあ、こんな感じで』
と言って瀬見さんに見せたのは、昔のお母さん達の写真
紫乃さんの髪型をさして言った。岩泉さんは好きって言ってたから、特に紫乃が生前していたショートボブ…あれが好きみたいで今回あたしはそれに挑戦しようと思った
「ふーん、コレがお前の言ってたホントの母親?びっくりするくらい似てるなやっぱ。ホントにこれでいいのか?」
『はい、びっくりさせたいので!!』
「よっしゃ、じゃあ俺気合い入れて切ってやっから!!」
黒いTシャツに黒いエプロンを着てハサミとかカールを巻く奴がいっぱい乗ったカートを持ってきた。
『切れるんですか?瀬見さん』
「舐めんなよ、俺こう見えて専門学校8か月で通ったからな」
「あっ…それ俺5か月で済みましたよ。」
太一!!と瀬見さんが近くで切った髪の毛を箒で集めている川西さんに吠えた。ここで働いている瀬見さん・大平さん・川西さん、今日はいないけど山形さんは木兎さんの伝手で短期で通れる専門学校に行ってからここに勤めているから法律的にも問題はない