第39章 愛しい子 *最終章*
『それ…あたしのせいですか?』
「お前のせいではない。血縁関係のなかった白鳥沢は、遅かれ早かれつぶれていたことだろう。」
淡々と話す牛島さんを月島さんと、後から来た影山さんが来てそのまま屋上から降りて行った
みんな・・・あたしのせいで・・・
「夜琉ちゃん!!」
あたしは思わず下に視線を落としていたら、大声であたしを呼ぶ日向の声が耳に響いた
日向はあたしのほっぺをペチンッ!!と両手で叩いて挟んだ。
「笑顔!!笑って?夜琉ちゃんは笑顔がいい。その方が、今日逮捕された人達も絶対いい人になって戻ってきてくれるから!!」
そうやってあたしの目をじっと見つめてくるからあたしは自然にニッと笑った。日向はそれを確認して牛島さんを連行していた月島さんと影山さんの後を追った
4人を見送って黒尾さんの元へ戻ろうとしたら、黒尾さんと岩泉さんの元へは澤村さんが頭を下げていた。しばらくしたら澤村さんは屋上を降りて行った
『・・・?』
「今回はありがとうだとよ。夜琉のおかげで天童と大将を逮捕出来て白鳥沢の一件も片付いたってよ」
片付いたと言ってもあたしは何もしていない。したこととすればただ頭ごなしにお兄さん方に文句を言っていただけだったから
そして、あたしはそこでようやく現実に戻った
今後はどうすればいいのか、全然見当がついていなかった
今まで通りでいいのか・・・それとも・・・
「なぁ、夜琉。ちょっといいか?」
『はい?』
1人でひっそり考えていると、岩泉さんがあたしの後ろから声を上げた
――――――――夜琉、俺と・・・