第39章 愛しい子 *最終章*
及川さんが二口さんに連れて行ったのを確認した大人達が慌ただしくなった。
澤村さん達はどこかに電話をして田中さんや西谷さんは二口さん達について行き東峰さんは日向や月島さん、影山さんと話をしていた。
あたしは、泣きそうに・・・というかもう泣いているところを黒尾さんと岩泉さんが慰めてくれていた
「夜琉、泣くなって。お前には俺がいるだろ?」
「夜琉、あいつのことはほっとけ。俺はそばにいてやるから…」
と、2人揃って恋人みたいなことを言ってくる。
黒尾さんは一応恋人だからいいとして岩泉さんは残念ながら恋人じゃないから、本命のこの人はちょっとご立腹だ
「おいゴリラマン、俺の夜琉にあんまそういうこと言わないでくれませんか?」
「誰がゴリラだクソネコ。夜琉は俺達の恩人の子。守んのは当然だろ」
黒尾さんは肩を、岩泉さんは腕をつかんで離さない。あたしはずっと泣いているからそんなことは気にならなかった。
「…じゃああなたも、指定暴力団として…」
泣いているあたしの耳に月島さんの声が異常に大きく聞こえた。
月島さんが話していたのは牛島さんだった。
あたしはずっと喧嘩をしている黒尾さん達から離れて牛島さんと月島さんのもとに行った
『あの…どしたんですか?』
「…君には関係ないデショ?」
「…俺も、警察に起訴されることになった」
正直な牛島さんはいつもの真面目な顔で言われた
忘れていたけど、牛島さんも指定暴力団の白鳥沢の総帥。麻薬の密売とか子供の臓器売買もしているから・・・そして今回のこの事件で白鳥沢は傷害罪で起訴されることになった