第39章 愛しい子 *最終章*
そして1年後・・・
岩泉さんは事実上の父親になってくれました。
岩泉さんがその話をした時はあたしはびっくりしたし、黒尾さんはめちゃめちゃ怒ってた。
「夜琉を守るのは俺1人で十分だ!!」
「テメエじゃ頼りねえから俺が父親になるって言ってんだよ!!!」
この大人達は・・・と呆れたものの、あたしは岩泉さんが親になってくれるのを心の中でちょっと喜んだ
あたしは本当の・・・じゃないけど育ててくれたお父さんは病気気味だったから一緒にいた記憶が曖昧だから
『岩泉さんは今日は何時までですか?』
「1時までだ。仕事終わりの足でそのまま行くからお前本社まで来いよ?」
『はーい』
岩泉さんは、今は青城での送迎をやめて別のお仕事をしている。
青城は及川さんの逮捕の後からはロイヤルサファイヤは変わらず松川さんが、アクアマリンは花巻さんがオーナーになってなぜか矢巾さんが社長代理として今でも経営を続けているらしい
「ってかお前、美容院予約してたんじゃねえのか?」
『あっ!!忘れてた!!』
テーブルから勢いよく立ち上がって置いてあったバッグを持って家から飛び出そうとした
「あっ!!おい…コレ!!」
岩泉さんが飛び出して行ったあたしの後を追ってきた
手渡してくれたのはあのネックレス。1年前に岩泉さんからもらったもの。岩泉さんはあたしの背中に回ってネックレスを付けてくれた。
「…おし」
『ありがとうございます。じゃあ岩泉さん、またあとで』
「おぅ」
岩泉さんに見送られて家を出た