第39章 愛しい子 *最終章*
『及川さん…?』
「…夜琉ちゃん、君が言ったんだよ?やり直せって。だからこれは俺なりのけじめだと思うんだよ。」
『・・・。』
あたしは自分で言っといてなんだけど、あたしは腑に落ちていなかった。あたしはふいっと及川さんから顔を逸らした。
「夜琉、こいつはいっぺん頭冷やすためにぶち込まれた方がいいんだ。なんなら終身刑にでもなってくれた方がありがたいぜ」
「岩ちゃんひどい!!俺そんなことしたら寂しくて死んじゃう!!」
テメエはいっぺん死ね!!といってまた岩泉さんが及川さんを蹴った。あたしは、そんな2人を見てちょっとだけ安心した。及川さんはちゃんと前に進もうとしてくれている
過去にあった事とかも全部受け入れて・・・
「はいはーい全員動くなー。」
「おい二口!!んな適当言い方してんじゃねえ!!」
突然屋上に乗り込んできた警察官らしいお兄さん達。最初に入ってきた茶色い髪のお兄さんはどこか及川さんに雰囲気が似ていて、次に入ってきた人はなんか筋肉質っぽい・・・
「はいはーい、今日は暴行なしなんですよね?つまんね…」
「つまんねってなんだ!!」
こっちの警察の人達もなんか楽しそうだな・・・
そう思っていたら、チャラいお兄さんがあたしに気づいて近づいてきた
「アレ?なんでこんなとこに女子高生がいんの?まさかお前ら…誘拐か?」
「そうじゃない、その子も関係者だ。」
澤村さんが茶髪のお兄さんに説明した
「なぁんだ…。ねぇ君彼氏いる?今度ご飯とか行かない?」
『えっ…あの、その…』
お兄さんが手を掴んで堂々ナンパをしてきた
あたしは、手を振りほどこうとしたけどお兄さんはギュッと握っているからできなかった