第39章 愛しい子 *最終章*
「あの…感傷に浸っているところ、申し訳ないんですけど…及川さん。貴方も傷害罪および殺人未遂容疑で起訴させていただきます」
場の空気を壊して言葉を発したのは月島さんだった。
月島さんが言うには、及川さんには何の罪もなかったけど、さっき天童さんを撃ってしまったせいで罪に問われることになってしまった。
「・・・。」
「ったく、お前は感情的になりやすいんだよ…」
「せっかく、夜琉があそこまでやったってのにな」
黒尾さんもあたしのことを抱きしめてくれた。あたしはそばに来てくれた日向に可愛いピンク色のハンカチを借りて涙を拭いた。
『…日向、及川さん…どーなるの?』
「…最低でも3年は刑務所に入るかな…」
日向の言葉を聞いてあたしは及川さんを見た。
及川さんが天童さんに何をしたかは知らないけど、あの日向でもそうやって言うって言うことは本当なんだということは理解した
『…やだ、あたしやだ!!』
「夜琉ちゃん…ごめんね、俺でもどうすることもできないの…」
あたしがまたうろたえるから今度は日向があたしを抱きしめた。それを月島さんが見ていたけど、今日は引きはがしたりしせずにさらに詳しく教えてくれた
「僕らの仕事はあくまで起訴と確保。残りの仕事は伊達班の仕事だからね。それからのことはそっちに聞かないと…まずは貴方の身柄を預からせていただきます。」
月島さんはそう言いながら及川さんに近づいた。
及川さんもそれを分かっているようで彼の言葉に従った