第39章 愛しい子 *最終章*
『うぇええ…ん!!』
「ったく、びっくりさせやがって…」
1年前のあの日、及川さんが自ら屋上から身を投げた時に岩泉さんが及川さんを助けた
「岩ちゃ…どうして…」
「どうしてじゃねえよグズ川!!」
助かったばかりなのに及川さんはまた岩泉さんにド突かれていた。
「でも、トビオに…やられたって…」
「俺がやられると思うか?全部カラスの作戦だ」
「俺に岩泉さんは殺せませんから」
影山さんも2人に近づいて事情を話してくれた
岩泉さんが言うには、影山さんと会った日にカラスが天童さん逮捕に向けて動いていることと、井闥山の残党たちの捜査をしていて及川さんがその両方に関わっていることを知ったと聞いたらしい。岩泉さんは及川さんには手を出さないことを条件にその捜査に協力することになったらしい
「なのにテメエは…ッ!!」
「痛ッたい!!」
「テメエ何マジで夜琉に手ェ出してんだボゲェ!!!」
岩泉さんが及川さんを殴る横であたしはずっと泣いていた。
「夜琉、いい加減泣くなって。」
『うぅ…だっで…』
顔を隠して号泣しているあたしを見た及川さんと岩泉さんが動きを止めてあたしのもとに来た
「夜琉…」
「夜琉ちゃん…」
2人の顔を見ると、どっちも申し訳なさげででも何も言えないような感じで・・・あたしはそんな2人を見て我慢が出来なくなって2人にまとめて抱き着いた
「うわッ!?」
「なっ…どうしたの、夜琉ちゃん…」
『…ッ…うぇ…。…もぉ、2人共…ッすっごく心配したんですからァ…!!』
あたしの言葉を聞いて2人共顔を見合わせてからあたしを
抱きしめてくれた。
「ごめんな、夜琉。」
「心配かけてごめんね…」