第39章 愛しい子 *最終章*
ピピピピ・・・
『んっ…』
いつものように、目覚まし時計のうるさい音で目が覚めた。
ニャーとアイが鳴く声が聞こえた。
あの事件から、1年が過ぎた。
『おはよう、アイ』
重い体を起こしてアイを抱っこする。そのままあたしは、枕元に置いてあったスマホを確認する。そこには、黒尾さんからのメールが来ていた。
〈今日も仕事だからな。でも7時までには帰るからな〉
黒尾さんとはあれ以来からもずっとお付き合いをしている。
いい加減黒尾さんって呼ぶのはやめろって言われるけど、まだ慣れません・・・
「おーい!!起きてるかー?」
『はーい。』
うちのリビングからあたしを呼ぶ声がする。
あたしは、ショートパンツにTシャツという簡単に着替えを済ませてリビングに向かった。
『おはようございます』
「あぁ、おはよ」
『今日の朝ごはんはなんですか?』
「鮭焼いた。あとみそ汁と玉子焼きと…」
『…岩泉さんは、ホントあたしのお母ちゃんですか?』
「あぁ?」
1年経って岩泉さんは、あの後からあたしの父親として一緒に暮らしています。
親の親権がまだ死んだ両親にあったからその代わりに父親になってくれました。
1年前のあの日・・・