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いい子悪い子、愛しい子 《ハイキュー!!》

第37章 真実


「紫乃さん、好きです」


白鳥沢に来て1年くらいの時、俺は紫乃さんに言った。今思えば当時は幼過ぎたからかもしれないがすぐに言いたいという欲が出てしまった。欲しいおもちゃなどなく、ただひたすらに紫乃さんが好きだった。憧れというのか・・・


「ふふっ、ありがとう。あたしも若利が好きよ?」


「なら、結婚してください」


「おっ、いきなり結婚宣言か。若利は大物になるよ~」


頭をポンと撫でられるが、俺はその時は至って真剣だった。


「…なら、俺が白鳥沢の総帥になったら結婚してください」


「…若利、それはもう少し大きくなってから言お?」


「どうして、俺は紫乃さんのことが…」


「・・・あたし、この家から出て行くから」


「えっ・・・」



紫乃さんは、鷲匠総帥とは折り合いが悪く俺達が見てない・・・と思っているところでよく言い争いをしていた。あんたのやり方が気に入らないとか、あの子たちがかわいそうとか・・・

彼女が優しいから彼女は、ココにはいたくないと言っていた。


「あのクソ爺にそんなに言うなら出ていけって言われたからね、ココを出て保護施設でも建てようと思ってるんだ。もう契約もしてあるし、あとは…孤児の子達を探してできる限り助けていきたいの…ねぇ、若利。貴方も来る?」


紫乃さんは俺を見て優しく囁いた。
俺も、ここから逃がしてあげると言ってくれた。でも俺は


「行かない、白鳥沢で一番になって紫乃さんが戻ってきてくれるような白鳥沢にする」


俺はそう言った。
白鳥沢の1番になれば彼女と結婚できるとそれしか思わなかった。だから、俺は彼女を申し入れを断った。



・・・今思えば、それは間違いだったかもしれないが・・・



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