第36章 決戦
『及川さん!!』
「ダメだよ及川君」
銃を向ける及川さんを止めようとした瞬間に、牛島さんの後ろから天童さんが現れた。彼が現れた瞬間あたしは思わず後ろに下がる
「若利君には手を出さないっていう約束でしょ?」
「・・・。」
腑に落ちていない及川さんだが、銃を下した。
天童さんは牛島さんとこんな状況にもかかわらず雑談を楽しんでいた。
『・・・。』
牛島さんを呼んだってことは、本気であたしを殺そうとしているんだと分かった。牛島さんの目の前で殺したいって言ってたから。
でも、天童さんはなんで?
「夜琉ちゃん」
『はい?』
「ウシワカが来てびっくりしたでしょ?」
笑顔の及川さんは銃を手にしながらあたしの方を見ていた。
あたしは返事をせず牛島さんを見た。牛島さんもあたしを見ていた。天童さんの話を聞き流しているようであたしから目を離さなかった
「夜琉ちゃん、もう少し話そうよ。君の言う正しい道は大好きな人との約束を守ることなんだよね?」
『…はい』
「なら…、君は大事な人との約束は、ちゃんと守ってるの?」
『えっ…』
及川さんがそういった瞬間、またドアが開いた。「あ、お疲れ~」という天童さんの声がうっすら聞こえたが、あたしは入ってきた人達の光景を処理できずにいた
『えっ…えぇ…?』
「大丈夫だよね?」
及川さんが入ってきた人に話しかけた。
入ってきたのは2人、前に華夜を危ない目に合わせたあの蛇みたいな人と・・・
「一応な…ギリ生きてるはずだ」
ヘビみたいな人が担いできた傷だらけの男の人・・・
「やり過ぎないでねって言ったのに…大事な彼女が殺されるのを見せてあげないと…
・・・ね?クロくん」