第36章 決戦
『…大事な人の約束を守ることです。』
「・・・。」
『あたしは、お母さんの言う通り1番大事な人を探してその人と生きる。傷つける様な男は信用しないって。』
あたしの言葉に及川さんはため息をつきながら聞いていた。なおもあたしは言葉を続ける
『だから、今及川さんがしていることは正しくない。紫乃さんの約束に反しています。だから…貴方のしていることは間違っています!!どうして分からないんですか!!!』
「…分からないよ、どうしてそんなに信じられるの?お前も紫乃も…殺されるの分かってるのにそんな風にできるの?」
『…信じてるからです。お母さんを、紫乃さんを…貴方を…』
「・・・ッ!!」
及川さんの威圧にも負けずにあたしは及川さんに笑顔を見せた。急に笑うから及川さんは凄く驚いていた。
でも、すぐにフッ…と笑ってあたしに近づく。
「すごいよ、夜琉ちゃん。でもね…俺はそんなに優しくないよ?」
そう言った直後に、屋上の扉が開いた。
開かれた扉から現れたのは・・・
『…牛島さん?』
「…夜琉」
牛島若利さんが1人で入ってきた。
牛島さんは何か納得したように及川さんを見た
「なるほど、お前が俺を1人で呼ぶなんておかしいと思っていたが…まさか、本気で夜琉を呼ぶとは…」
「…俺はお前を今日殺すって決めたからな。」
そういうと、及川さんは牛島さんに拳銃を向けた