第36章 決戦
制服を纏って昼間の花街を歩くのは、少し勇気がいる。
昼間に花街を歩く人なんてほとんどが人生に負けた人・・・って感じがするから(っていう高校生の感覚)極力人と話さないようにする
昼間のロイヤルサファイヤは、夜とは違う雰囲気だった
いつもはネオンが最上階まで輝いていてまぶしいくらいなのに、今は背中に感じる太陽の方が暑い
制服が少し背中に張り付く始めたから、ロイヤルサファイヤに入っていく
「いらっしゃいま…、。夜琉ちゃん」
『こんにちは渡さん。及川さんいますか?』
受付に立っていた坊主のお兄さんは、あたしの顔を見てすごくびっくりしていた。あたしは渡さんに頭を下げて及川さんのことを聞いた
「うん…今連絡するね」
『お願いします。』
渡さんが多分本社室に電話をしてくれた
すると、非常階段の方からなんか地響きみたいな音が・・・
「夜琉!!」
『あっ、松川さん?!』
エレベーターも使わずに走ってきた松川さんは一目散にあたしのもとに走ってきた
『あ、おっ…お久しぶりで…』
「お前なんで来たんだよ!!」
『あの…あたし、及川さんに呼ばれたんです。3時にここに来いって』
「だからって…」
「どしたのまっつん」
松川さんと話をしていたら、エレベーターから及川さんが降りてきた。綺麗なお姉さんと一緒に・・・
「あっ、夜琉ちゃん来てくれたんだ。うれしい~」
及川さんはいつもの作り笑顔であたしを見た。隣にいたお姉さんはあたしを睨んでる