第36章 決戦
黒尾さんがいなくなってすぐ、あたしは残ったホットケーキを頬張ってすぐに黒尾さんのお家を出た。
向かったのは、自分の自宅。
戦闘準備をするためだ。
家に帰ると、アイがニーと鳴いてあたしを迎えてくれる
その声に負けてネコ用の餌をエサ皿に入れた
そして、自室のクローゼットを勢いよく開ける
中に入っている洋服たちを選別していく
及川さん相手ならデートっぽい可愛い服か、いっそ初めて会った時の恰好か・・・それとも、制服か?
そう思った時、ふと目に止まったのはあのMotherの青い服
及川さんにもらったアレ・・・
でも、これだけは着ないと決めていた。
岩泉さんの時とは違って今回はあの人のもとには戻らないということを意味するから、だから着ない。
でも岩泉さんのネックレスは付けると決めていた。
・・・でも松川さんの靴はやめよう。だってこれに合う服が少なすぎる・・・
*****
結局あたしは、制服で行くことにした。
あたしは、学校ではいい子を演じてきた。そんなあたしのことも払拭するためにもこれを選んだ
・・・今なら夏休み中だから汚しても大丈夫・・・なはず
その前に死ななければだけど・・・
『よし!!』
時間は12:48
ちょっと早いけど、あたしは家を出ようと思った。
その前に、あたしはリビングの一角にある父と母の仏壇に手を合わせた。せめて死なないように・・・と
ニャー
『あっ、アイ!!』
アイが仏壇に飛び乗った瞬間に、仏壇が開いてしまった
コラ!!と怒ろうとした時、仏壇の中に何か可愛い封筒を見つけた。
その封筒には「夜琉ちゃんへ」と母の字で書かれていた。
今まであたしのことは、「夜琉」と呼んでいたのに・・・
あたしは、その封筒を開け中の手紙を読んだ。
・・・それを読み終えた時、あたしは手紙を乱雑にカバンに押し込んで急いで家を出た。
『アイ、行ってくるね』
と、言い残して・・・