第35章 黒猫と決戦前夜
『あの…これは…』
「ん、親切な黒尾さんが可愛い夜琉ちゃんのお身体を洗ってあげてるんだよ?」
『だっ…だからってッ!!』
お風呂場にある椅子に座る黒尾さんの上に座りながらあたしの身体を手に付けた高級ボディソープをあたしの身体になじませる・・・という名のセクハラを受けている
「ほれ、次背中な」
『あの…ふぃあ!?』
「『ふぃあ』ってお前、どんな声だよ」
『だって、くすぐったッ…』
「おい…力抜け」
向かい合う状態からあたしは黒尾さんに背中を見せる形になった。
意外と広いあたしの背中を黒尾さんは素手で洗っている。背骨から腰回り、そして肩甲骨と流れていく
「・・・。」
すると急に黒尾さんの手が肩甲骨あたりで止まった。少し黒尾さんの指が肩甲骨を掻いた。
ガリッ!!!
『痛い!!!何するんですか!!!』
「ん…ゃ、この刺青が…」
『えっ…』
肩甲骨あたりにあるのは、青城の人達を意識した青葉が記されているが、黒尾さんはそこに嚙みついたのだ。
「これが…すげえ胸糞悪くてな」
『そんなこと言われましても、あたしは…痛ッ!!』
また噛まれた。
しかも今度はさっきよりも強く、それこそ肩甲骨が纏っている肉ごと嚙み千切られそうなくらい・・・
『痛…たぃ…ッ!!』
「…悪ぃ、つい…痛かったよな」
『んッ…ぁ…!!』
黒尾さんは、今度はあたしを後ろから抱きしめながら自分が嚙んだ傷口を舐めだした
痛さとくすぐったさが相俟って変な声が出た
「…夜琉、俺もう…我慢できねえや」
『えっ…』
あたしはそう言われて、身体をシャワーで流されてそのままお姫様抱っこで風呂場から連れ出されバスタオルを巻かれて黒尾さんの部屋に連れていかれた。