第6章 酒は飲んでも呑まれるな
「じゃあ、これな~んだ」
と、持ってきた瓶をあたしに見せた
そこには〈Vermut〉と書かれていた
『べ…?』
「ベルモットな、お前の好きな高校生探偵のアニメにも出てくるだろ?俺あのキャラ一番好き」
『そ…何ですか…』
「・・・これをな、ジンを4。ベルモットを1で割るとできるのが・・・マティーニな」
と、2種類のお酒を混ぜてカクテルグラスに入れて丸い木の実みたいなものを入れてあたしの前に出す
『いただきます』
と、出されたマティーニを飲む
さっきよりも飲みやすいけど・・・さっきよりのどが痛い
『あの…、コレ…レモン入ってます?』
「おっ、分かったのか。正解。レモンの果肉ちょっと入れてみた」
と、同じものを飲みながら花巻さんが笑う
でも、あたしはそんな花巻さんの表情をちゃんと見れなかった
・・・いや、見ようとしても視界が揺れているから見えなかった
この度数の強いお酒たちを立て続け・・・といっても2杯しか飲んでないけど未成年の女を酔わすのには十分だった
『は…花巻さん…』
「ん?・・・だいぶいい感じだな」
『ふぇ…?』
と、すっかり酔ってしまってふわふわしているあたしを花巻さんは急に抱きかかえてどこかへ連れて行った
そこは大きなツインベッドの上
そこに放り投げられたあたしに、花巻さんは馬乗りになって着ていたドレスをゆっくり脱がし始めた
『えっ…、花巻さん…?』
「これが大人の…というか俺の遊び方。狙った女を酔わせてから…喰うの♡」
お酒が入って少し頬を赤くしている花巻さんは、ペロッと舌なめずりをしてあたしを見下ろす
早く食わせろと言わんばかりに目を輝かせて・・・