第6章 酒は飲んでも呑まれるな
『ふぇ…花巻ひゃ…』
「うん・・・いい感じに酔ってるね。気持ち悪くない?」
『・・・まら・・・らいひょうぶれふ・・・』
舌が回らない
頭の思考回路がゆっくりでしか動いてくれない
今あたしはどんな状況に陥っているのか・・・
今あたしは、花巻さんにベッドに押し倒されて着ていたドレスを脱がせて下着しかつけてないあたしの上に馬乗り状態。
「じゃあ今からは、昨日の借りを返させてもらうぜ」
それが合図だったように、花巻さんはあたしの口に吸い付いてきた
お互い口の中にお酒の香りが残っていてそれでまたあたしの頭はぽやぽやしてきた
『ン…ふっ…んぁ…』
「んっ…お前キスうまいな」
『ふぁ…?』
「ふっ…その顔ずりいの」
と、あたしの頬をそっと撫でた花巻さんはそこからゆっくり頬、首筋、鎖骨と順番にキスを落としていった
たどり着いた先、そんなに育っていない胸元に達したときあたしの身体は大きく揺れた
「ん…お前ホント先弄られんの好きな。触れただけで感じやがって」
『んん…!!ふっ…あぁ…』
「…もっと声出せ」
『あっ…花巻さ…』
「ん?」
『あっ…あたし…か…噛まれ…るの…す…』
「ん?聞こえねえよ、言いたいことあるなら言え」
きっとこの人は言いたいことは分かっているはず
それでも彼は、あたしの胸の先を舌先で唇で撫でまわし嘗め回すだけ
あたしがしてほしいことをしてくれない
酔っているせいで感覚すらもおかしくなっていた
普通なら舐められるだけでも結構好きなのに・・・
それじゃ・・・足らない