第6章 酒は飲んでも呑まれるな
「はい、じゃあ今からお勉強始めます」
『よろしくお願いします』
と、バーカウンターに座らされたあたし
花巻さんのいうお勉強とは、お酒についてのお勉強みたい
今日はよかったけど、これからお酒を飲むお客さんも出てくると思うから少なからず覚えた方ががいいといわれしぶしぶ花巻さんが教えてくれるみたい
「はい、じゃあまずベースからな」
と、棚に並べられているお酒の瓶を数本出してきてくれた
未成年のあたしには全く未知の世界だった
「基本客は、この3本中心だからな。これだけ覚えとけ」
出された3本の瓶は、焼酎と・・・Gin?VO・・・?
「右から焼酎、ジン、ウォッカ。焼酎くらいは分かるだろ?」
『あっ、ジンとウォッカも分かります。見た目は子供、頭脳は大人の敵キャラですよね?』
「・・・まぁ、間違ってねえがな・・・」
と言いながら、花巻さんはその中から真ん中の瓶だけを残して残り2本は棚に戻した
「俺は、これが1番好き。こいつが1番いろんなもん作れんだよ」
と、ジンの瓶のふたを開けながら普通のグラスよりも小さいグラスに注いであたしの前に出す
ついでに自分用なのかもう1つのグラスにも注いだ
「飲んでみ?」
『あっ、はい…』
すっと飲んでみると、口の中がピリピリと痛くなった
ついでにちょっと頭も・・・
「ちょっとお子様には強いか?」
『んん~…濃い…』
「だよな、じゃあ次な」
と、今度はそのジンを注いで別の瓶を出してきた
すでにあたしは視界がちょっとゆらゆらしてるけど・・・