第35章 黒猫と決戦前夜
『はい!!それよりご飯!!今日はあたし御手製のオムライスですよ』
「おっ、悪いな。オムライスのタマゴはフワフワか?」
『当然です、今日のは自信ありますから』
キッチンに入って作ってあったチキンライスを温め直して小さなフライパンを出して卵を割りいれる。
黒尾さんは温めている間に着替えをしに行った。
『はい、どうぞ』
「ありがとな。んじゃイタダキマス」
あたしは黒尾さんが食べるのを見ていた。市販のケチャップをきれいに流れるようにかけてスプーンにのせて食べた。
一口食べたときの顔を見てちょっと嬉しくなった。
黒尾さん、すごく嬉しそうだった。
「さすが夜琉、すげえうめえ」
『あっ、よかったです』
黒尾さんが満足げに食べてくれるのを見ながら、あたしはあの事が気にかかっていた。
黒尾さんにどうやって切り出そうか・・・
どうやって言おうか・・・
言っていいものか、いやいいんだよな?10年に一度あるかないかのデレ島さんに言われたんだからいいんだろうけど・・・
あぁでも・・・
「おい夜琉」
『えっ!?』
「早く食え、食器俺が洗ってやるから。そしたら一緒に風呂入ろうぜ?」
ニカッて笑う黒尾さんの顔、実はすごい好きだったりする。
黒尾さん基本が大人っぽくて目が鋭いから怖い感じするけど、笑った時だけは子供っぽいとこもあるからそこは憎めなかったりする
「ちゃっちゃと終わらせていくから、先入ってろ」
『はい、じゃあ先に入ります』
あたしは素早くオムライスをかき込んで食器を黒尾さんに渡した。