第35章 黒猫と決戦前夜
「ただいま~。悪いな夜琉遅くなっちまって」
黒尾さんが帰ってきた。あたしは立っていたキッチンから離れて黒尾さんを出迎えに行く
『あ、おっ…おかえりなさい』
「あぁ…ってお前…」
『はい?』
黒尾さんはあたしのことを頭の先から足の先までじっくりと見通した。すると、なぜか急に持っていたカバンやジャケットを落としてあたしのもとへ来た。そして・・・
『ふぇ!?』
「そのエプロン、今この時のために買ったんだって思ってな。」
黒尾さんは唐突にあたしを抱きしめてきた。
黒尾さんがいうエプロンとは、黒尾さんがよく愛用している真っ黒なエプロン。胸元に黄色い目をした猫がプリントされている奴
「すっげえ似合ってる」
『あっ…ども。なら、胸触るのやめてください』
「何言ってんだ、俺はこの猫を触ってるんだ」
『ネコのついでに触ってますよね!?』
「いいじゃん、いつも触ってるだろ?」
ネコ(という口実で胸)に顔を近づけて軽くチュッとキスを落としてきた。黒尾さんの顔があたしより下にあるという光景にはまだ慣れない。基本は頭上か・・・上に跨ってるというか・・・/////