第34章 月明り
「若者がね、簡単に買えないようにだよ避妊薬をね」
『えっ?』
「子供つくるって大変だってことを分かってもらうためにこんなに高いの。簡単に避妊できるって思われたくないしね。だから高額にするか服用を面倒にしてむやみにやらないようにしてるのよ
中だししちゃったのはなにか原因があるかもしれないけど、避妊=簡単っていう意識は捨ててね」
この人、結構チャラそうにみえてまじめな人だし話しやすかった。
あたしは、そんなナースさんに諭されて1万越えの高いものを買うことにした。国見さんから2万もらったし
「一番はゴムしてセックスすればある程度は防げるけど、やっぱナマは気持ちいし興味あるのも分かるけどねー。アハハハ!!」
最後の最後にゲスイこと言われたのはスルーしとこう・・・
「はい、避妊薬です。なるべく早めに飲んでくださいね」
『はい、ありがとうございます。』
「じゃあお大事にね」
眼鏡の先生が、あたしに薬を渡してくれた。
金髪ナースさんがなんかあったら相談においで~とヒラヒラ手を振っている
あたしは頭を下げて病院を出た。
今日はまっすぐ帰るつもりで歩いて帰ろうとした。
すると・・・
「ねぇ、なんであんたがここにいるの?」
なんでここに集まるのか・・・
顔見知りってやつは・・・
『あっ…月島さん…』
人ってやつは、なぜ顔見知りに会うと安心してしまうのだろうか・・・
さっき全部流したはずの涙腺ダムがまた崩壊した。
『つ…づーぎーじーまーざーーーん!!!わぁああああ!!!』
「うわっ!!ちょ、何!?こんなとこで泣かないでよ!!バカなの?」
なんていうけど、月島さんはあたしの肩をもって優しくどこかへ連れて行った。
さっきからため息はデカいけど・・・