第6章 酒は飲んでも呑まれるな
『あの…花巻さん?』
「んん~?ちょっと前回の借りを返すのと、大人のお勉強会♡」
エレベーターに乗りながら花巻さんは恐ろしいことを言い出した
大人の勉強とは・・・なんぞい?
『あの…何をするんですか?』
「だから、大人の勉強」
と、視線を合わせずにおどおどしているあたしを見かねたのか花巻さんはエレベーター内の壁に手をついてあたしを見下ろす
その笑顔がものすごく怖い・・・
「今から、俺が徹底的に教えてやるよ・・・」
ひぃいいいいい!!!
チィン・・・
エレベーターが開いて最上階のいつものお部屋
ユージさんが帰ってからまだ手を付けてないからすっかり色の薄くなったコーラの入ったグラスが水滴を纏って置いてあった
『・・・。』
「・・・・・・。」
花巻さんとあたしの間には長い沈黙
こういう沈黙あたし嫌いなのに・・・
・・・ていうか、大人の勉強ってそういうことだよね?
・・・まぁあたしは初めてではないわけだし
でも、なんか緊張してる
『あっ・・・あの、花巻さ…』
「夜琉ちゃん、こっち来て」
あたしを呼ぶ花巻さんはいつの間にか部屋にあるバーカウンターに立っていた
『えっ…?あの…』
「今から、ちょっとお勉強がてら遊ぼうぜ」
と、グラスを持ちながらウインクしてきた
あっ、勉強ってそういうことね・・・
『遊ぶ・・・?』
「そっ・・・大人の遊び♡」