第33章 大王様と穢れ
「はぁ…、そんなに俺を求めてくれるならさもう俺遠慮しないから」
おちゃらけた口調から一変して今度はあたしを脅すような声になった。
それが合図であるようにあたしの最深部を的確に射抜かれていく。普段うるさい天童さんが何も言わずにただひたすらにあたしに腰をぶつけてくる
『あ、んッ…あぁあ!!ひぁ、や…ぁあ!ヤダッ…!!ヤメッ、んん!!!』
「…声デカくなったじゃん、ほら、もっと啼け」
『ひッ…あぁ、あ、あん…ん゛んん!!』
天童さんじゃない、今目の前にいるのは・・・
怒りとか憎悪とかそういう感情に飲まれている殺人鬼みたい
性行為の形と名をした虐殺のようだった
あのキス未遂からずっと腰を打ち付けてきている。あたしはそんのに耐えられるわけもなく何度も何度も達してしまっている。
でも天童さんは全然だった。
もうノンストップくらいにピストンを繰り返してるはずなのに全然イかない。なんで・・・
「あぁ?んだよ、花火の後の野外セックスかよ」
「あぁ~御大層だな~」
突然あたしの横たわるベンチの向こうから知らない男の人達の声がした。
いつの間にか終わっていた花火の帰りなのだろうか・・・公園内を散歩していたみたいだ。数は・・・きっと3人
「アレ?誰か倒れてんじゃん」
「おんな…じゃねえな、つまんね」
「いや俺もう別にいいわ男でも。こいつ案外かわいい顔してるしよ」
男の人達の会話らしてきっと国見さんのことを言っている。さっき影山さんに殴られて気を失ってしまっているから・・・
このままじゃ国見さんが・・・!!!
パァン!!!!!
また・・・聞きなれた音
「おい…おまッ、どうしたんだよ!!おいッ!!!」
パンッ・・・パァン!!!
ベンチの向こうのお兄さんたちの焦ったような声とさらに聞こえた2発の乾いた破裂音。
その音を発生させたのは、今まさにあたしと繋がってる人・・・