第33章 大王様と穢れ
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「あらら~、国見ちゃんの割にずいぶんと大胆なことさせるんだね。…飛雄、追え」
「はい」
「追わせません」
国見は、2人に拳銃を向けた。
背中に夜琉が走っていくのを感じながら、及川と影山から目を離さない
「…国見ちゃんも、俺のこと裏切るの?」
「裏切ったら…岩泉さんみたいに消すんですか?」
国見は及川を見て微笑んで見せた
及川は、その笑みを見てさらに笑顔で帰した。
でも、その目には怒りの色が写っていた
「…飛雄、殺れ」
「はい」
及川がつぶやいた瞬間、影山は国見に接近しながら拳銃を抜いた。国見も影山が接近する前に拳銃で影山を撃った。
すばやく躱した影山も国見に向かって撃つ。
「…お前、なんで及川さんの」
「…こっちにもいろいろあんだよ。邪魔するな」
「邪魔とか言ってんじゃねえよ、俺らの恩人の岩泉さんを…!!」
「・・・。」
影山が及川から離れたことを確認した国見が影山に問いかけた。
彼らは、昔青城に来た際に岩泉に救われた過去があったため国見はそんな岩泉を手にかけた影山が許せずにいた。
しかし、影山は何も答えなかった。
「…今は、こうするしかねえんだ」
向かい合っていた2人は互いに拳銃を向け合っていたが、先に引き金を引いたのは影山だった。
国見も瞬時にそれを察知して撃った
2つの拳銃の音があたりに響き渡った