第32章 大火と飴と・・・
「あっ、俺アレ食いたい」
『ん…あっ、リンゴ飴ですか?国見さん意外と可愛いですね』
「あぁ…?」
『ッ!!…すみませ…あっ…』
その立ち寄ったリンゴ飴を売っているお店では、リンゴ飴だけでなくイチゴ飴とかあと、いろいろな動物を模った飴細工が売られていた。その中に・・・
『・・・。(ネコ…可愛い)』
犬やウサギの飴の中にあった白いネコの飴。それがすごく可愛くてあたしは思わず見入ってしまった。
「…ねぇ、買わないの?」
『あっ、買いますよ。じゃああたしは…ゲッ…』
リンゴ飴の値段は大でも400円くらいでイチゴ飴は350円なのに…飴細工高い!!800円って!!!
無理!!1つに500円くらいじゃないと…
『いっ…イチゴ飴にします…』
「ふーん、じゃあ俺大ね」
この人少しは遠慮しろ!!って思いながらあたしはおとなしく飴を買う。国見さんにリンゴ飴を渡してまた歩き出した。
「・・・。」
*****
『あっ!!』
「何?」
『あのネコ可愛い!!』
今度あたしが見つけたのは、射的の屋台に置かれた大きな黒いブサネコのぬいぐるみ。さっきネコの飴買い損ねたからアレは欲しいと年がらもなく思ってしまった。
「何、あんなのが可愛いの?」
『ネコは何でも可愛いんです!!』
「はいはい、じゃあ頑張って取れば?俺見てるから」
ホントケチだな・・・この人
あたしは5発で100円の射的をするため、頭をタオルで巻いたおじさんに100円を渡す。
狙うは、黒いブサネコのぬいぐるみ。
ぬいぐるみは射的台の一番上段にあるから難易度はかなり高い。
でも、愛するネコのために!!