第32章 大火と飴と・・・
結局華夜に騙されて4人で回ることになってしまった。
・・・といってもそれは建前で、金田一さんと華夜はいつの間にか恋仲になってるからほぼ2人で楽しんでいる。
あたしはというと・・・
『・・・。』
「・・・。」
国見さんととんでもなく気まずい空気に浸っていた
そりゃあたしはこの人に一回殺されかけたし・・・一緒に楽しくお祭りなんて楽しめる余裕はなかった。
「・・・アレ?」
『はい?』
「…あいつら、どっか行きやがった」
『え゛っ…』
国見さんの言葉に動揺しつつ周りを見ると、2人の姿は・・・ない。ちょっとちょっと・・・!!勘弁してよ、特に金田一さん!!!
国見さんに殺されかけたって知ってますよね!?
チラッと国見さんを見ると、すごい不機嫌すぎる・・・
『あっ…あの、国見さん…?』
「あぁ?」
『あっ、えっと…お、お腹すきません?』(ひぃいいい!!!)
「…全部お前のおごりな」
『はっ!?』
「何…?」
『…いえ別に』
花のJKにおごらせる25歳ってどうよ!!
いや、分かってたよ・・・この人はこういう人だって
・・・分かってたけども!!
なんか腑に落ちない!!
なんて心の中で思っていたら、国見さんは人ごみを掻い潜りながら並んでいる屋台を見ていき始めた。