第31章 黒猫の説教と極悪妖怪
「血のつながりを持たないといけないって誰が決めたのぉ?現に今だって若利君は血のつながりもないのに白鳥沢を立てている。…でもそのせいで、若利君はあの女に会ってしまった」
「…あの女?」
「・・・。若利君は…」
小さい時は、名家の生まれで将来は何不自由なく暮らしていけるような子だった。
でも、その父親が白鳥沢前総帥の鷲匠鍛治の策により殺され彼は白鳥沢に連れ去られた。
連れ去られてからは、彼は時期総帥となるために厳しい教育を強いられた。
でも基本何でもできた彼は、そつなく熟し過ぎたせいで白鳥沢の逸材とされさらに白鳥沢の深い部分にまで落とされていった。
だが、それをすくいあげたのが・・・
「青城紫乃。あの女のせいで、若利君が変わっちゃった。」
「・・・。」
「そして、若利君はまた道を間違えそうなんだよ。今度は…若利君自身を殺してしまうかも…だから俺はそんなことさせない。だからあの子…天川夜琉を俺が殺さないといけないんだよ」
天童はくるくる回りながら川西に言う。
でも川西には分からなかった
「…牛島さんは、何をしたんですか?」
「それは秘密♡」
「・・・。」
くるくる回っていた天童は急に動きを止めて真剣な目で川西を見た。
「ねぇ太一。」
「・・・?」
「・・・愛って何?太一」
天童からの突然の質問に戸惑った。
しかも、愛とは無縁そうな天童からの質問だったからかなお驚いた。