第31章 黒猫の説教と極悪妖怪
「よし、帰るぞ」
『えっ!?ちょ…待っ!』
日向が月島さんと行ってしまうのを見ていたら黒尾さんに頭を掴まれて外に連れていかれる
『ちょっと!!あっ…京治さん!!助けて!!』
「俺の仕事は君を迎えに行くことだけだからね。あとは、黒尾さんのお仕事だからね」
そう言って京治さんはどっかに行っちゃ…いやだぁあ!!!
だって今の黒尾さんめっちゃ怖いんだもん!!
*****
TV局の駐車場にいつもの黒尾さんのバイクが置いてある。その座席の下にいつもあたしが借りているヘルメットを今日は・・・
ガッとあたしの頭に強引に乗せる
『痛いです!!』
「うるせえ!!黙って乗れクソガキ!!」
くッ…!?
・・・まぁ怒られてる理由は分かってるからあたしは何も言わずにヘルメットを被って黒尾さんのバイクに乗る。
『あの…』
「あぁ?」
『…ごめんなさい。…その…』
「別に怒ってねえ」
怒ってるじゃん!!どこの子供だよ!!
ちょっとムッとしたから今日は黒尾さんの身体に捕まってあげないんだから。
あたしは黒尾さんが乗っている椅子の部分に捕まった。黒尾さんは何も言わずにバイクを走らせる。
「おい!!」
『はい!?』
バイクを走らせている黒尾さんがあたしに話しかけてきた。
「お前、白鳥沢と何話したんだ!?」
『・・・。』
「・・・おい!!」
また結婚の話を持ち込まれた・・・なんて言ったらまたなんか言われそうだから、ここでは言えなかった。
「・・・。」
それ以上黒尾さんは何も聞かなかった。
バイクの音と外の音だけが流れて行った。