第30章 白鷲の交渉
コーヒーショップから出たあたしは、病院の駐車場に停めてある赤葦さんの車に乗り込む。赤葦さんの愛車は白いア〇アだった。
『あの…赤葦さん。さっきの話…』
「あぁ、本当だよ。黒尾さんが俺に中央病院に行ってくれってさ。嫌な予感がするって」
黒尾さんって何者!?エスパーでしょ!?あの人そんな感じだと思ってましたけど!?
『はぁ…ご迷惑をおかけしまして…』
「いえ、俺も君と少し話したいと思ってたし」
運転しながらだからこっちは見ないけど、すごく笑顔だ。あっ…横顔かっこいいわ…
「あんま見惚れてると、黒尾さんに言っちゃうよ?」
『みっ///見惚れてません!!』
「…ねぇ、夜琉ちゃん…でいいかな?」
『あっ、ハイ』
「うん、俺は京治でいいからね。それはそうと夜琉ちゃん。君はどこにつくの?」
チラッとあたしを見てから赤葦さ…いや、京治さんがあたしに質問をしてきた。つくとは?
『つくって…?』
「うちか、青城か、白鳥沢のどこにつくのかな~って。やっぱり黒尾さんのいるうち?」
『えっ…えっと、あたし…つくとかそういうのじゃなくて。まぁ、黒尾さんの近くには…いたい…というか、でもでも、青城の及川さんとかともなんというか仲良くしたいというか…白鳥沢は…えっとまた別の…えっと…』
あたし自身まだ頭の中の整理がついていないからいろいろ訳分かんないことを言ってる気がする。それでも京治さんはそっか…と話を聞いてくれた。
『あの、あたしも聞きたいことあるんですけどいいですか?』
「ん、何?」
『白布さんとはどんな関係なんですか?』