第28章 黒猫と初恋
結局もう1回した後、あたしと黒尾さんは一緒にお風呂に入った。でも人ってそういう雰囲気の時は裸でも恥ずかしさはちょっとしかないけど、シラフの時ってすごく恥ずかしい・・・
「おい、なんでバスタオル巻いてんだよ。取れ!!」
『わぁー!!やめてください!!』
浴槽に浸かったまま2人で大暴れ。結局バスタオルは剝がされて背中に黒尾さんを感じながらあったかいお風呂に浸かる。
『…あの、黒尾さん…』
「ん…?」
黒尾さんの足の間に座るあたしは、振り向かずに黒尾さんに話しかけた。ずっと考えていたことがあったからだ。
この話をしたら、黒尾さんはきっと怒るかもしれない。
でも言わないと、何もできない・・・
『…あの、あたし…岩泉さんに会いたいです。』
「…はぁ?」
うわぁ~、背中に悪寒が走った気がする・・・じゃない、悪寒が走った。黒尾さんに睨まれたような感じがした
『いや…そういう意味じゃなくて、岩泉さんに会って話したいんです』
「話す必要なんてねえだろ。それに奴は、及川の手下にやられて病院に居るんだろ?会えるのか?」
『多分…お店にいるときに松川さんに岩泉さんは中央病院にいるって聞いたので。それに肩の傷を一回病院で見てもらえって言われたのでそのついでに…』
「でも岩泉に会う必要はねえだろ」
『だって!!』
思わず振り向いて黒尾さんを見る。
でも黒尾さんはそれ以上にすごい怖い目つきで睨んでいた。
さっきあたしを怒った時の目と同じだったから・・・