第28章 黒猫と初恋
「夜琉よぉ~」
『ん~…』
一通り全工程を終わらせて、黒尾さんのベッドの上でいろいろ反省した。これが賢者タイムというモノか?
黒尾さんは自室で煙草を吸うタイプみたいでさっきからベッドに座って吸っていたあたしは布団を肩まで被って黒尾さんの枕に顔を埋めていた。傷めつけ過ぎた腰は簡単に動いてくれそうにないし・・・
「さっきから気になってたんだけどよ、それ…なんなん?」
『どれ?』
「ソレ。その刺青」
『あぁ、松川さんに彫ってもらいました。そして同じことを松川さんに言われました。』
何にも着てないあたしは布団から出てまた黒尾さんの前に裸体を晒す。もう恥ずかしいとかもなかった。散々はずかしいことしちゃったし…///
「正面はネコ、んで…裏が葉っぱ。なんだこれ」
あたしが彫ってもらった刺青は、正面には肩関節が触れるところに黒いネコ、背中には肩甲骨と肩関節の間辺りに青葉。
そして三角筋のとこに星があってその3つを1つのチェーンが繋いでいるというもの。
『背中の青葉は、青城って意味。松川さんに聞いたんですけど、紫乃さんが造った施設の名前が《青葉》っていうらしくて…。前のネコは、…黒尾さんで』
といった瞬間、黒尾さんはぶわっと顔が真っ赤になった。あたしも顔が熱くなった。今考えると、とっても恥ずかしいことしたんだと自覚した
『…それで、この星は、岩泉さんからもらったスターサファイアのネックレスです。あれからずっとつけてるこれです。…この、スターサファイアの意味は…』
首にかけているスターサファイアのネックレスに触れながら説明していく。
『・・・、〈明るい関係を築く〉や〈困難を突破する〉。岩泉さんに教えてもらいました。スターサファイアにつながったネコと青葉、黒尾さんや青城の人達と…いい関係になりたい…ていう、願い…です』