第28章 黒猫と初恋
「おいおい、イっちまった上に潮まで吹いたのか?」
『うっ…し……』
「ん?」
『死んで、くだ…さいッ』
イった直後から、黒尾さんの肩に顔を埋めて息を整えてビリビリしびれる身体を落ち着かせる。それからあたしは、精いっぱいの強がりで黒尾さんを睨む。
でもそれは黒尾さんを煽っただけだったみたい・・・
「まだ余裕ってか?」
ニコニコという笑顔の裏で黒尾さんはあたしの腰をゆっくり持ち上げて思い切り下げた。急に最深部を攻撃されて一度いった身体が耐えられるはずがなかった。
『あぁ!?やぁああ!!!』
「俺にまだ強気でいられるなら、まだイケるってことだよな?俺まだイってないからちゃんと付き合ってくれよ?」
2回目イってたから記憶が追い付かなくなった。
座位だったのは、いつの間にかバックになってたり、バックだったのが背面座位になってたり記憶の中には残っていかない。
ただひたすらに、黒尾さんがあたしの名前を呼びながら何度も何度も出していた気がする。抜かれて少ししたらまた挿れられてっていう繰り返しが何度もあった気がする。
「はぁ…夜琉ッ…」
『あ゛っ…あぁ…ッ…?』
黒尾さんだけじゃなくて、あたし自身もう何回イってるか分からない。そんな中で、黒尾さんがあたしに跨ってる時急にまじめな顔をしてあたしを見下ろす
「はぁ…夜琉、…俺のこと、好きか?」
黒尾さんのくせに・・・
なんと真面目で不安げな顔してんだか・・・
不安なら・・・聞かなきゃいいのに・・・
『はぁ、はぁ…すっ……好きじゃなきゃ…ここま、で…させません…から…』
表情筋も感覚も、すべてが朦朧としているけどあたしはできる限りの笑顔を見せた。それが功を奏して黒尾さんの不安げな顔は見たことのないくらいの安堵の表情だった。
「夜琉・・・」
お互い汗だくで息も荒い中で、今日一番の優しい声との過去最強の優しいキスが降ってきた。
「夜琉…好きだ」
黒尾さんのその言葉を最後にあたしたちは揃ってベッドに沈んだ