第27章 黒猫の生きる意味
「・・・―――――――!!!」
こいつの名前は、この時と別れ際に聞いたのが最後なのにそれから先の10年間忘れた日はなかった。
初めて生きててほしいと言ってくれた人・・・俺に生きる意味をくれた子・・・
そんな子に、いつかお礼しようと思った
あの時はありがとうって・・・
そのあと、そいつは時間だからって言って帰ってしまった。母親が迎えに来たみたいで廃ビルを出て行った。
俺は、そのあとまた猿杭に連絡をした。向こうはケータイにも連絡をしていたけど俺はそれにも気づかずにガキを話していたようだ。
その数日後、井闥山はターゲットを梟谷から白鳥沢に変えたから暗殺の心配がなくなった
その日を境に俺は、銃を捨てた。
木兎とは友人関係を続けた。銃を持たないボデイガード・・・簡単に言えばただの友達になった。
あのガキに言われた通り、極力けがをしないように・・・
そして俺は、ことのすべてを木兎に話した。
そのあと、研磨にも・・・
天使に会ったって冗談交じりで言ってみたけど、俺にとってはまさにそれと同じような感覚だった。
その証拠がこの黒猫だ。
赤く光るハートの石を見るたびに、俺のために泣いてくれたあいつの泣いている時の目を思い出す。
おいちゃんに、死んでほしくないもん・・・ッ!!!
その言葉に俺は本気で救われた
それと、あいつの去り際の笑顔に・・・
『夜琉…おいちゃんに生きててほしいから…』
あいつの・・・
お前の言葉に・・・