第27章 黒猫の生きる意味
「なんだ、これ」
手渡されたのは、小さな黒猫のストラップ。赤いハートを抱えていてその中に赤い石が埋め込まれた奴
「それお守り!!あたしとお揃い!!」
そう言って見せてくれたのは、俺がもらったのと同じ猫のストラップ。いや、厳密に言うと俺と似た白猫のストラップだ。
「お守り?」
「うん!!お母さんにもらったの。1番好きな人にあげなさいって」
えっ・・・1番って
「1番ってお前、なんで俺に…」
「おいちゃん、好きな人いないんでしょ?だから、危ないことしてるんでしょ?」
「・・・ッ!!」
こいつ、ホントに7歳かって思うくらい勘が鋭い。しかもはっきりというところとか・・・年齢を疑うレベルだ。
でも、俺は図星だから何も言えない。
「おいちゃんが危ないことしないように、あたしが1番になってあげる!!」
「…いらね。ガキとんな約束したくねえもん」
そう言ってストラップを小さな手に返す。でもガキは受け取らない、むしろ押し返してくる。両手で返すけど片手の俺にも勝てないけどな
「ダメ!!約束しないとおいちゃん死んじゃうから!!!」
「死なねえよ…」
「死ぬ!!だってさっきも…」
何なんだよこのガキ・・・さっきのアレでなんで俺がヤベえって思うんだよ、TVっ子か?ドラマの見過ぎとかそんな感じなのか?
そう思ったら、ガキは今度は本当に泣いていた。肩を思いっきり揺らして大粒の涙を流していた
「そんなんじゃねえって…だから、泣くな…」
「グス…、だって…、あたし…」
おいちゃんに、死んでほしくないもん・・・ッ!!!