第27章 黒猫の生きる意味
「お前、親は?」
「ん~、あっち」
ガキが指さす方には、会合会場に近い場所にある中央病院。そこに親がいるってことは・・・病気か?
「お父さんね、身体弱くてね?何回も入院したりしてるの」
「ふーん…お母ちゃんは?」
「お父さんと一緒にいる。だからあたしは待ってるの」
待ってるって7歳の子供をこんなとこで待たせるってどんな親だよ・・・。
話を詳しく聞いてみると、こいつの母親は父親が一番大事と自負しているらしく子供をほっといてずっと旦那についているらしい。その間こいつはずっとこの界隈を遊び場にしていたらしい
「お前、それでいいのか?」
「うん、お母さんお父さんの大好きだから。だからいいの」
「大好きだからって子供ほっといていい理由にはならないだろ」
「うーん…」
これが、こいつの普通なんだ。
母親は自分より父親が大事だと・・・
「なんでそんなこと言えるんだ?」
「えっ…だって、お母さんの1番はお父さんで2番があたし。待ってるのは当然!」
「だからって、子供をほっといていいはずなんて…」
「…お母さんね、あたしには自由になってほしいんだって。誰にも縛られないで、自由に…そして、大好きな人と一緒になってって」
大好きな人…何言ってんだ?
こいつの大好きな人なんて・・・普通は両親だろ。それなのに・・・第一、自由ってなんだよ。ほっとくのが自由じゃねえだろ・・・自由なんて・・・
・・・自由ってなんだ?