第26章 黒猫の戦う意味
こいつ…木兎光太郎に連れられて一体何メートルあるんだって感じの黒塗りの車に乗せられた。よく見る女はべらかせている億万長者様が乗っていそうなアレ
その中で、俺はこの弾丸マシーンにいろいろ聞いてもいないことを聞かされた。
こいつの父親は、梟谷財閥の社長様で芸能・ファッションブランド・メディアなどなどあらゆる分野のトップを総なめにしている一流財閥。
その1人息子らしくここまで不自由したことないとかふざけたことぬかしやがるし・・・。
「…それでお前、なんで俺なんて買ったんだ?」
一流企業の坊ちゃんにそんなタメ口聞くもんだから、運転手からボディガードまでがびっくりしていた。ただこいつの父親の社長様だけは大爆笑していた。
「えぇー、俺お前が気に入ったから!!」
「だからって、1億も」
「金には困んねえから」
死ね・・・本気でそう思ってしまった。
親の敷かれたレールしか走ってこなかっただろうなこのガキ・・・
「何が金に困んねえだクソガキ!!!」
「痛ってえ!!!」
車の奥に座っていた木兎のお父様もとい、梟谷財閥社長が1人息子のドタマにげんこつを飛ばした。
「テメエで稼げてねえくせにエラそうぬかすな!!タコ!!!」
「んだよ!!親父がボディガードつけるって言ったんじゃねえか!!!」
「初っ端からいびきかいて寝てたくせにエラそうに言うな!!9番になった途端に起きやがって!!!」
親子2人の口喧嘩を聞かされているこっちの身にもなれよバカ親子・・・と思いながら車はこいつらの家に向かっていた・・・
この先の俺の人生に波乱の予感しかしていなかった・・・