第26章 黒猫の戦う意味
「では、6番から10番。」
5番の男まで終わったら、ついに俺を含めた番号を持つ男たちが呼ばれた。でも俺以外の男はみんな俺よりデカいしガッチリしてるしで、俺は完全に意気消沈だった。
「では、6番から始めます」
と、300から始まった男は伸びが悪かった。その6番の男はさっき俺に因縁吹っかけてきたあの男。挙手性のこのオークションなのに誰も手を上げない。さすが人間性を見抜く大物様方・・・よくわかってらっしゃる。
「では、次…」
結局あの6番は、誰にも買われることなくオークション会場を追い出された。7番8番とそこそこの額で買われていきついに俺の番だった。
「では、9番を始めます。開始は100万です。」
一歩前に出された俺に頭の上にライトの光を浴びた。目の前の暗がりにたくさんの人間が見えたが、手を挙げているものはいない。
代わりに聞こえたのは、さっき裏で聞いたのと同じ声
「若すぎない?」
「ただのガキだろ…何考えてんだ」
「ここの質も地に落ちたな…」
こんなガキに100万も出せないという大人達の言葉が聞こえた。
やっぱり俺は、ただ親の七光りに甘えていたただのいかれたガキだったようだ。小さい時から人殺しをしてきた意味って何だったんだろうか・・・と心の中で自問自答をする。
「…選ぶ方がいらっしゃらないようなので、9番の落としはこれで・・・」
「1億!!!!」
司会者のマイクを通した言葉なんかよりも明らかにデカい声で叫んだ男が一人いた。
それが・・・あいつだった